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花火ノート

オタク女の独りアーカイブ

【愛蔵版】総括と感想と思い出

下天の華

私と「下天の華」の出会いを振り返ると、大元は「采配のゆくえ」でした。東軍の藤堂高虎に心を奪われ検索の鬼になっていたら、丁度発売したばかりの「戦国無双 Chronicle 2nd」で新キャラとして参戦していることが分かりました。見た目は采配の忠興に近かったのですが、思い切って3DSごと購入し、寝不足の日々を過ごしました。クロセカの高虎と結婚したいなと思いながら攻略情報やプレイ日記を探していたころ、中の人が乙女ゲームに出演するという記事を見つけました。さっそく公式サイトに行ってみると、くのいちが主人公のゲームと判明。忍者小説ばかりを読んで過ごしていた時期もあり、これは運命か?と予約したのです。それまでSFCPC-FXアンジェリークしか遊んだことがなく、乙女ゲームとは無縁の生活でした。下天のサイトで始めて店舗特典なるものが存在する知ったくらいです。初めての乙女ゲームだし、せっかくだからトレジャーBOXとやらにするか~高いけれど! これが、始まりだったわけです。

 

日の本を舞台した乱世、極限状態での武将たちとの愛と命のやり取りを……なんて期待してしまうと肩透かしをくらいます。基本的には安土城での日々をめぐる箱庭ゲームに近い作り。大胆な時間経過もなく、一日に三度の行動の中で任務をこなし武将たちと縁を深めていきます。交流・修行・本編・恋愛イベントと結構ドタバタと忙しい。ストーリーの大筋は個別のルートに入っても同じで、俗にいわれる「金太郎飴」というやつです。共通ルートをスキップしすぎて正しい選択肢が分からなくなったり、ゲームをやってんのに飛ばしまくってるなと、ぼんやり虚無感が生まれたりします(個人差有り)。それでもあくまでも主人公・ほたるの行動にゆだねられる部分が大半です。彼女(プレイヤー)の選択によってストーリーは変わるのです。選択によって言葉や行動、ほんの少しみられる場面が変わったりするタイプのストーリーが好きな方には楽しいと思います。しかし、ほたるは忍びの者。裏方であり間者であり、変化の術を使い「桔梗姫」として武将たちと係わり、知る人ぞ知る存在でした。しかし、本能寺の変を乗り越え、ほたるは新たな夢を持ち、安土を守り、じわじわと表舞台に登場していきます。それが「安土の盾」と呼ばれる忍びであり「夢灯り」の物語に繋がります。

 

愛蔵版では「下天の華」には罪の華エンド、「下天の華 夢灯り」には後日談とシークレットイベント、佐吉と両兵衛のイベントが追加されました。おまけで新規イベントを入れておくか的なやっつけシナリオではなく、しっかり練られたイベントでした。優しくかっこいいキャラ達の新たな一面、隠された闇の部分が浮きあがる罪の華エンド。ほたると同様、彼らにも心の揺るぎと利己的な側面があったのだなと感じられます。そして、本編のセリフやエピソードを回収しながらの糖度の高い後日談。本編の糖度はやや抑え目なので、大変嬉しかったです。下天の華をさらに厚みをもたらし、濃厚さをました新装版になりました。

 

この物語がたどり着く結末は「戦国時代」としては生ぬるく感じるかもしれません。ストーリーの中では合戦なども起きず、基本的に安土近郊からも移動しません。結末や下される沙汰によっては納得できない場合もあるでしょう。夢灯りでは私も少し驚きました。それでいいのかなって。それでも、それらを補うだけのストーリーと整合性と何より私が気にならずに「うんうん」と進められたからかと思いました。下天の華の美点はキャラクターやストーリーがぶれないところです。武将たちの言動がルートやストーリー展開で変わらない。謎の行動を起こしたり、性格が変わってしまったり「お前どうしたんだよ」ってツッコむところはないです。だから、ストーリー、キャラ、システムなどゲームとしてのクオリティは安定しているといっても過言ではありません。申し分ない。だから、下天の華という作品の評価は、本当に遊ぶ人の好みにゆだねられていると思っています。

 

その作品がどうであれ、世間がどう言おうと評価が低かろうと、自分がどう思うかが大事なんですよね。「下天の華」は私の心に突き刺さり、心の琴線には四六時中ふれっぱなしなのです。どこではまったか? これは自分でも全然わからない。気が付いたら公式イベントに行ったり、舞台に通ったり、プラチナBOXを買ったり、ブログをしたためたりしちゃってるんです。下天の華の初攻略は秀吉で恋愛エンドでしたが、エンドロールが流れた時点で爆笑したもの。キャラソンって(その後いくつかの乙女ゲーをプレイしたが、キャラソンが流れたのは下天だけでした…)。しかも秀吉が一番興味がなかったんです。中の人は地元のラジオ局で番組持っていて存じてましたが、下天のサイトで「あー声優もやってるんだ?」って思ったくらいでしたからね……ちなみに信長の中の人もね(昔夕方の電リク番組聴いてました。たまに声優の話もしていましたが)。最終的に秀吉が最萌えキャラとなりました。後日談も罪の華も本当に良かったですよね。

 

シークレットイベントを見た後「終わってしまったな」という、ちょっとぽっかり心に穴が開いてしまったような脱力感にとらわれました。後日談が素晴らしくて、きれいにまとまり完結していたので一区切りした感じがすごくあったんですよね。続編はあるのかな。作るのも大変そうだな……もう信長が天下統一してもいいんじゃない?と思うけど、それがあったら完全に終わるよな……下天の華。今回あるルートで天下統一目前な話がありましたが……さてさて。もちろん新作があったら一番うれしいのですが、個人的には乙女ゲームでなくてもシミュレーションでもいいし(信長の野望とか太閤立志伝をゆるめにした感じ)、無双スターズに出陣しちゃってもいいし、何かしらの形で続いてくれてもいいかなと期待します。無理をせず、ゆるゆる続いてくれたらいいな。

 

愛蔵版をプレイしつつ、やっぱり下天の華が好きだなと改めて感じました。罪の華と後日談を見て、その気持ちがより一層深くなりました。このゲームを世に出してくれて、プレイ出来たことに感謝します。下天がきっかけでいくつかの乙女ゲームをプレイして、好みの作品にも出会えたし遊ぶジャンルも広がりました。

 

たかが乙女ゲーム、されど乙女ゲーム

いやはやこんなにも虜になると思ってませんでした!!

一人でも多くの人にプレイしてもらえたらいいな、と願いつつ。また続編や新展開があったらと期待しつつ。

 

私は下天の華が大好きです!