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花火ノート

オタク女の独りアーカイブ

「剣が君 for V」が面白かったので感想とか。その1(ネタバレ無し)

剣が君 for V 限定版

剣が君 for V 限定版

 

PC版が出た時からとても気になっていて、移植されないかなーと秘かに待っていたのですが無事にvitaで発売されたので遊びました。フルコンプしたので感想などを書きたいと思います。まずは一言。

 

面白かった!

 

この作品のためにVita一式揃えました。ソフトもアマゾンで限定版を注文しました。プレイ前は清水の舞台から飛び降りるくらいの勢いで(関東在住)ドキドキしていたのですが、それも開始5分で単なる気鬱だったのだと悟りました。自分の好みの世界観だったのもありますが、買って良かったと心から思える作品でした。

 

※ストーリーの核心部分には触れていませんが、前章の粗筋や後章のシステムなどについては書いていますのでご注意ください。

 

元は人間と鬼が共に暮らしていたが、飢饉をきっかけに争うことになった。敗れた鬼たちは帯刀を禁止される。これが「刀狩り」と称されるものとなった。その後、戦国時代を迎えるが波乱の時代は幕を閉じる。時は家光が治める江戸の世。妖怪を封印する力を持つ刀「天下五剣」を授かる剣取り試合で一番刀になることが真の侍として名誉の時代。

茶屋の娘・香夜は偽の姫として花嫁行列の大役を務めることとなる。

 

前章「東海道偽花嫁行列」編、後章は「江戸城剣取り御前試合」編で構成されています。偽の花嫁役の主人公を守る護衛が攻略対象の6人です。前章でキャラたちと好感度を深め、後章で一番高いキャラのルートに入るという感じです。厳密に言うと、前章の七章でキャラルートに入ります。妖怪に対峙するなど何かあるたびに「姫どうしますか?」といちいち聞いてくれて、好きなキャラを選択できるのはちょっと笑った。偽とはいえ姫なので、ちゃんとした扱いを受けているので不自然な感じは無いし、目当てのキャラのルートにすんなり入って行けるのは良いですね。スキップや次の選択肢まで飛ばしてくれる「跳躍」という選択肢もあるのでとても便利。でも跳躍は未読のシーンも飛ばしてしまうので注意です。スキップや跳躍を使いながらも、結構飛ばさずに見ていました。特に花嫁行列が好きでキャラの掛け合いが楽しくて何度も見ていました。二周目以降になると、何気ないセリフや言葉や行動が「あ!あの事を差しているんだ!」と分かってくるので感心しきりでした。お話そのものは、古来から信仰されている神が絡んできて中々の恐怖と気味の悪さも帯びています。家光の弟・忠長の自害から始まるので初っ端から血生臭くもあるのですが…。花嫁行列も、もちろんすんなりと駿府にたどり着くわけでもなくて、たくさんの障害が立ちはだかります。血も飛び交うし割と暴力シーンやらショッキングな演出も多めです…女性が殴られたりもあります…おおお。辛いシーンもありますが、香夜や彼女を守る6人の護衛たちが困難に立ち向かい、交流を深めていく姿はとにかく好みの話でした。キャラの好感度を上げていく章なわけですから、楽しく萌えるエピソードも満載でした。名所に行ったり関所を通ったり(主に水戸黄門でおなじみ)夜に2人きりになったり、のんびり温泉に入ったり…。前章のラスト辺りでさらにキャラルートに入って、花嫁行列そのものの話は変わらないのですが中身が細かく変化します。駿府に到着してからもイベントがあって少しずつ心を通わせていく姿が描かれています。恋愛部分がとても丁寧で頬が緩みました。

 

花嫁行列の引き受ける香夜も、父と営む茶屋を助けたいという健気なもので彼女なりに頑張る姿がとても良いです。お姫様とうり二つということは美人設定という事なのかな~いやはやイラストを見ていただけると分かりますがとても可愛いよね。父親想いでちょっと気が強くて涙もろくて、好きな人を助けたいという気持ちもあって共感できる可愛い女の子です。薙刀を習っているのも自分の中に信念があったり、武術の心得も後章でちゃんと使われるので意味のない設定にもなっていないのが良いです。攻略対象についてはその2で語ろうと思うので割愛しますが、エンディングでの香夜と攻略対象のスチルがとても美しくてきれいで、ギャーッとなってしまう悲しい結末でも見入ってしまうくらいです…!私は花嫁行列のイラストを雑誌で見て買おうと思ったので、まあ攻略対象が気になってというよりはイラストが超好みだったのと主人公が可愛かったからという、乙女ゲーとして正しいのか謎のスタート地点から出発しているのです。いやでもさ、自分の分身と言ったらおこがましいんですけど(自分と似ても似つかないくらいとても可愛いから)、やっぱり共感できたり可愛かったりしないと入り込めないじゃない。いくら攻略対象がかっこ良くて心惹かれても恋愛してるのがダメ主人公だったら嫌じゃない。そんなヤキモキはこのゲームには微塵もなくて主人公の香夜は可愛らしくてとても好きです。

 

vitaの大画面で見るスチルがとにかく美しくて、しかも画面にタッチするとセリフを話してくれる!(それ以外でも画面長押しでスキップできるなど、画面タッチで進行が出来るのでボタンはあまり使いませんでした。便利!)このゲーム、スチルがたくさん用意されていて、前章だけでもたくさんありさらに個別ルートの後章も充実しています。凄いなと思うのがこれを原画担当の読さんが一人で手掛けていること…!!!こんな素敵なイラストを描かれている方を見落としていたなんて!と検索してみたらRejetの社員さんとのことです。そうなのか…。vita版に合わせてスチルが追加されているのですが、若干絵に変化があったようでPC版未プレイの私でもどの部分か分かります。まあ、どちらにせよ美麗イラストには変わりはないのですが。美しくも儚げなイラストを見ていなければ買ってなかったな…と思うくらいです。

 

立ち絵の表情や変化も豊富で、瞬きや口パクもあり見ていて飽きませんでした。口はパクパクさせすぎてたかもしれませんが…。一つの立ち絵でも驚いたり目を逸らしたりと目の動きも充実していたし、立ち絵そのもののバリエーションの多さに驚きました。主人公の香夜が誰かからかんざしを貰うとちゃんと後ろのお団子に差すんです!すっごく細かいんだけど、感動してしまった。温泉入るときは脱いだ絵になるんだぜ…?(大事なところは隠れてるよ!)これでレーティング上がったんじゃないのかと一瞬思いました。後々さらに変化があります…それはどこなのかはお楽しみにということでというくらい着替えることに驚きつつ楽しかった。もちろん攻略対象の六人もいろいろな変化があります。ほんの少しでも姿に変化があれば立ち絵も変わるので大変だったんじゃないかなと思います。

 

ストーリーや世界観、イラストやキャラ、そして剣が君という世界を包む壮大な音楽と、私のどストライクの作品だったという贔屓目をほっぽっても良い作品だったなと思います。キャラルートの結末も4つ用意されていてさらにすべてに後日談が付いているという、ボリュームもあります。後日談もスチル有でしっかりとしたエピソードになっています。必ず誰かのルートに入るためノーマルエンドなどくっ付かない結末はありません。すべてを終わった今、攻略キャラが6人なことに納得だし九十九丸がメインビジュアルに据えているのも意味があったのだなと気がつきました。それぞれのキャラの宿命がストーリーに綺麗に組み込まれており取ってつけたような展開はほとんどありません。見た目も設定に繋がっていたり性格付けになっていました。脇キャラも美形なキャラが多くて男女問わず攻略したい!って思うのですが前述通りなので、脇キャラを攻略できたら蛇足になってしまいそうな気がします…。だからおまけのクリア特典で人物詳細があるのだね!!三厳と上様と半蔵を攻略したいなあ~。

気になったことも書いておきます。割と文章には好みが出るかもしれません。シナリオは複数の方が担当されているのもあるのかな。一人称が「俺」なのに一か所だけ「オレ」になったり「こいつ」だったり「コイツ」だったりと細々気になるところがありました。ちょっと都合よく展開するシーンがあったり、消化不良に感じるシーンもありました。言葉遣いや読み方に「あれ?」という箇所があったりもしました。…勢い任せの読みづらいブログを書いている私が言えたことではないのですが、一応。

 

ノベルゲーなのでゲーム性は皆無ですが、エンディングの分岐のための選択肢も多いのでただ読んでいるだけで退屈…というのは少ないかなと思います。私自身ノベルゲーはあまり得意ではなかったのですが、このゲームは最後まで楽しくプレイできました。時代物というと戦国・幕末が多めなので江戸初期の設定も新鮮でした。妖怪や鬼が共存するこの世と神が住むあの世という世界観も好みでした。しっかりしたストーリー設定と丁寧な乙女ゲー部分とのバランスも良かったです。主題歌も2種類あるEDテーマも良かったです!(聴くと泣きそうになる)。つらく悲しいエンディングもきっちり。甘くて優しいエンディングもきっちり。とても満足できた作品でした。乙女ゲーだけど、ストーリーや他の部分が気になったら遊んでもらいたいな!