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花火ノート

オタク女の独りアーカイブ

無限の世界と「後宮デイズ」

このマンガを読んでいると古き良きSFC時代のRPGを、特にロマンシングサガシリーズを思い出す。

歴史や宗教、神話がベースとして練られた世界をドット絵キャラクター達が手探りで旅をしていたころ。山のように作られた楽しくて興味深い設定と世界観の一部分を、キャラたちが冒険する感じだったが、冒険している世界のなかにあって登場しない設定やアイテム、モンスターも多かった。SFC以前のソフトには良くあったことだが、カートリッジの容量が足りなかったのだ。シナリオやイベントシーンが削られたゲームは多い。が、さらにロマサガの場合はバグとかも多かった。その分、攻略本や大辞典、1の場合はリメイクされたミンストレルソングで補完された(後付設定も増えたが)。たくさんの設定と広がる世界にワクワクし、妄想も空想もたくさんした。

 

後宮デイズもそんな空想を駆り立てるマンガだ。1巻19・20pから引用すると「ここ七星国(しちじょうこく)の誕生は約200年前のこと もとは別々の七つの国であったが破軍国が中心となり統一されたことにより生まれた連合国である 七つの国はそれぞれ州へと改められ 七星国最高の存在皇帝の座には破軍国王がおさまった」これだけ見て、うん?って思った方もいるかもしれない。ちょっと十二国記みたいですね。あれも設定厨大歓喜の小説だ。十二の国があるのに全く出てこない国、本編に絡まない国があって設定はあるけどベールに包まれている。十二国記は王と麒麟を中心としていて恋愛とか結婚が表面上希薄だが、後宮デイズは少女漫画で主人公も王族でも貴族でもない年頃の女の子なので、ずっとライトに読める。見た目はちょっと陽子に似ているかも。で、後宮デイズはどんな塩梅かと言いますと、七つの国(地図を見るとそれ以上に国がある模様)を股にかけているのに、基本的に後宮内で話は進んでいくのです。男装の芸人・翡翠は皇帝・流星の目に留まり、後宮に誘われる。皇帝に生き別れの兄の面影を見た翡翠。後宮で与えられた仕事は殺された侍女の真相を探るというもの。後宮と聞くと3000人位女がひしめいてるの?って思うかもしれないが、経費削減しているので妾とかはいなくて、6人のお妃たちしかいない。このお妃たちってのが破軍州以外の6つの国からそれぞれ一人ずつやってきてるのだが、皆個性的で腹にはたくさんの欲望やら思惑やらでいっぱいだ。皇帝に気に入られようと必死な中で、それぞれ別の目的をもって皇都へやって来ている。見た目もギャル系からメガネっ娘など取り揃えている。でもあんまり駆け引きはしていない感じ。仲良くやっている。というのも、お妃が集められてから皇帝は「お渡り」をしていないからだ。誰とも体の関係を結んでない。さらに後宮には宦官もたくさんいる。棕櫚という、イケメンの流星の側近もいる。宦官だが(しつこい)。皇帝に尽くす彼の忠臣ぶりにニアホモを感じずにはいられない。お妃にも百合百合しちゃってる人もいるしその毒牙wに翡翠もかかったりで、割とのん気なところもありつつも後宮内で起きる事件や水面下での駆け引きやら陰謀やらたくさんのことを巻き込みながら、物語は進む。全体的にはさくさくざくざく進むので、がっつり作り込んだ話が好きな人には肩透かしを食らうかもしれないが、これは少女漫画なので、翡翠の心と女性としての成長と流星への想いを軸に進んでいく。後宮はひとたび足を踏み入れたら最後、というわけではなく割と自由に外に出られる。お妃たちは里帰りをするので翡翠もお供として所属していた楽団の面々と同行する。行く先々で事件は起きるのだが、ずっと年上の廉貞州公・柘榴(民と一緒に畑を耕している。こんなキャラどこかにもいたな。見た目とか性格とか全然違うけど)にも求婚もされるしで、めくるめく恋模様も楽しい。…偶然、木などの影から重要話を聞いてしまったパターンが若干多い気もするがwwまあいいかなと思う。

 

200年の歴史を持つ、七星国。7つの国をめぐるという設定は、いくらでも物語を紡いでいけそうな気がする。妃たちが里帰りし土産で持ち寄ったものを見るだけで、どの国がどんな国土で名産品なのか想像できる。広く浅く網羅するキャラや設定、うーんここはどうなんだろう?といういい意味で少女漫画らしい粗さもあることで、妄想を駆り立てる。小説でいうところの行間を読む行為だろうか。それを、綺麗で見やすい作画で補っている。手堅くも可愛らしい絵柄でとても好みです。数多の歴史の中にあって翡翠と流星を中心とした七星国の物語。

 

皇帝・流星側の視点で物語を見ても面白そう。彼もまた、七星国の歴史の中に取り込まれた人間なのだから。

 

ここから6巻のネタバレがあります。

 

5巻までの表紙がコミカルだったり美しく惹かれるデザインだったせいか、6巻の色を抑え、流星しか登場しない表紙は物語が重要な局面を迎えたのかと暗示される。まあ、付録を買う都合、中途半端に読んでしまって流星が影武者だったと知ってはいたから、この表紙には「おおー!」ってなりました。が、具体的にどうばれたかは見てなかったんだけど、このまんがらしいばれ方だったなwwwお渡りをしていたのは本物の皇帝・黄道だったわけで、体が弱くて大変なのに芙蓉のところで大丈夫なのだろうか。いや、皇帝の秘密を知る数少ない一人の芙蓉だけどしっかりしたお姉さんだから、今更裏切ったなんてどんでん返しは無いだろうと思うけど…そのさ。皇帝の生気を絞りとってしまわないだろうかww芙蓉は性欲が強そうだもん、房中術もってるし国技だろ。皇帝が名前を明かさないのって、影武者だからなのか?てっきり呪いをかけられたり悪用されたりしないためかと思ってたが…うーん?黄道と流星という、新たな恋の火種も生まれそうだし、暗躍する輔郡公もきになるし謎は謎を呼びつつ話は進む。侍女の事件も解決してないしな。生き別れの兄が生きてるのか死んでいるのか、皇帝と何か接点があるのかとか、いまのところ何も分からない。流星が兄なのか否かも。もう少し伏線回収しつつ進むと良いかなと思うけど、それも御愛嬌。

あと、流星が襲われて7巻へ続くになってるのに、次のページの予告でぴんぴんしてる姿を出すのはやめた方がいいww昔のアニメかと思った。そりゃあんなところで死なないって読者は分かってるけどさ!そんな感じで突っ込んだり妄想したりしつつ、7巻を楽しみにしたいと思います。一番進展しなくてもどかしいのは、翡翠と流星の関係だよ!